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文化系感想ログ

見聴きしたものの感想、あるいは我が人生に対する感想

「ゼーガペインADP」感想

映画「ゼーガペインADP」を観てきた。

本編であるTVアニメ「ゼーガペイン」に関しては、ごく最近までタイトルと「知る人ぞ知る佳作」というような評判しか存じ上げなかった新参者だが、2ヶ月前(2016年8月)になんとなく思い立ってDVDを全巻借りて視聴した。2クール全26話で、一気見するにはそこそこ気合のいる長尺だったにもかかわらず、徐々に明かされていく世界観や魅力的なキャラクターに引き込まれ、気がつけばあっという間に最終話まで完走していた。

まさか今年がアニバーサリーイヤーで新作まで発表されているとはつゆ知らず……ツイッターに往年のファンからの感想が流れてこなかったら、間違いなくスルーしていただろう。

ともかくその程度のにわかファンなので、10年越しの感慨深さなどは当然持ち合わせていなかったわけだが、それでも「ADP」は時間をかけて*1見に行って良かったと思える内容だった。アニメ本編を完走された方は劇場に足を運んで損はないはず。

ネタバレのない範囲で特筆すべき点を挙げるとすれば、今日の3DCG技術で描かれたゼーガのアクションと、声優さんの演技だろうか。

まずは前者。せっかく洗練されたメカデザインなのに動きの少ない戦闘シーンが多いのが惜しいなあと思いながら本編を見ていたので、今回のアップデートには大満足。特にアニメ本編でも見どころのひとつだったゼーガの共闘シーンは圧巻だった。キョウやルーシェンたちのやりとりも含め、これがこの作品の醍醐味であると再確認。

後者に関してはすでに多くの方に言及されていることと思われるが、花澤香菜さん。パンフレットによるとやはり演じるにあたっては相当悩まれたとのこと。だが、まさしくご本人のおっしゃる通り「カミナギ、いた!*2」という感想に尽きる。もちろん他のキャラクターにも本編と変わらず、或いはそれ以上に生き生きとした印象を受けた。

アニメ本編では学校生活やAIとの会話など、オケアノス対ガルズオルムの本筋から外れたエピソードが光っていただけに、駆け足で進んでしまった「ADP」のシナリオには少々物足りない部分もあった。

その辺はいつか「NEXT ENTANGLE」で補完されると信じることとしよう。

 

(以下ネタバレを含む感想)

 

・来場者特典の色紙にも登用された大型新人カノウ・トオルが、全く活躍しないまま退場していったのは(トオルの色紙を引き当てた一来場者としても)無念でならなかった。「ADP」では、本編でリョーコが発見した映像作品のロケハンの様子を追ってくれると期待していたのだが。

・本編でちらっと出てきたシズノとのキスが想像以上に唐突だったり、片思いだったはずのナツミ先輩をいきなり抱きしめたり。キョウちゃん、いくらなんでも好色すぎるのでは。

・宮内れんげや双葉杏を彷彿とさせるキャラAI「ルーバ」には登場時かなり違和感を覚えたのだが、ループのたびに退化していくガジェットと退場シーンを見てからはその存在の必然性に納得。イマドキな萌えキャラは未来の象徴なのね。

・キョウの家族は「30億幻体データ攻撃」で失われたのだとすると時系列の整合性が取れないので、キョウのデータ内に予め書き込まれた幻覚(?)だったと考えるべきか。

・トミガイとの零戦の話はキョウの絶望→特攻フラグかと思いきや、蓋を開けてみると復活前も、というかむしろ復活前の方がポジティブに戦っていたので安心した。前バージョンのキョウはアツい性格なのに冷静で衒学趣味なところもあって面白い。ルーシェンが「特別な感情」を抱くのも無理はないかも……?

・ミサキ・シズノの名前の由来が明らかになって、同時にシズノはキョウにとって「家族(=だから、恋人にはなりえない)」ということもはっきりしてしまったのが切ない。

・リョーコの「未来の記憶だ」は解釈に悩み始めると夜も眠れなくなりそうなので、後考に待ちたいと思う。

*1:茨城県南から舞浜まで2時間以上かかりました。意外と広いチバラギ帝国

*2:ゼーガペインADP」パンフレット、11ページ。